ベームのThe Flute and Flute Playing

3. 図式(スキーマ)の説明



pankomedia:
ここでベームは様々なピッチに必要とされるスケールを割り出すことの出来る図表として以下のようなものを用意するのですが、ここでは真ん中のBの横線をa=435のピッチにおけるスケールとしてAの横線がその半音上(a=460.87Hz)、Cの横線が半音下(a=410.59Hz)のスケールとしてまず表されています。もう少し説明すれば半音上であるA線におけるH-Bの長さがB線のC-Hと同じになる、同じように半音下のC線におけるC-Hの長さはB線におけるH-Bの長さと同じになるということを垂直の線で示しています。そうして表された3つの異なるピッチにおける同音の点を斜めの線で結ぶとその間におけるピッチの変動に対応出来るというわけです。しかしながらこの図表から正確な数字を割り出そうとすると大変に細かいグラフが必要になってきます。0.1mm単位の実寸グラフなどは描くことも読むことも出来ないので拡大表示をするとして、縦のY軸0.1Hz/mm、横のX軸0.1mm/mmのグラフを表すとすると今度はフルートの実寸の10倍の大きさの用紙が必要になります。ですからこの図式(スキーマ)は理屈としてはこうなっているということを説明する目安で、実際の数値は計算で求めるというほうが実際的のようです。



enokida:
たしかにスケールを求めるには最低でも0.1ミリの精度は必要だし、といって7メートルもある紙を拡げるスペースなんてそうそうあるものじゃないからね。

pankomedia:
そこで、以下のように435/440/442/445/452におけるCのトーンホール中心からのそれぞれの長さを計算した表を作りました。(表をクリックするとPDFで表示します)



enokida:
ほう、これはいいですね。Cのトーンホールからというのは親指キーの中心から低音のCまでの1オクターブということかな。

pankomedia:
そうです。親指キーより上の、要するにC#とD、Ebのトリルキーの位置はベームが前章で書いていたように妥協の位置を取ることになるのではっきりと定義が出来ません。

enokida:
それぞれの製作者が経験値で割り出すしか無いわけだ。いわゆるサウンディングレングス(歌口中心からの距離)も歌口の大きさや深さによって変わってくるから、スケールのはっきりと計算された数値という意味ではこの1オクターブの範囲を見るのが1番である、と。

pankomedia:
そうだと思って計算したのですが、440と442のスケールの違いって本当に小さいですね。

enokida:
でも、違うことは違う。

pankomedia:
実際にフルートを計測してそれぞれがどのスケールに当てはまるかデータを出すと面白そうですね。

enokida:
それは面白い。是非やりましょう。

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